京北(きょうほく)教会ブログ──(2010年〜)

日本基督(きりすと)教団 京北(きょうほく)教会 公式ブログ

<京都御幸町教会を訪れて>(2011難波牧師就任式)

 

             日本キリスト教団

  ──京都御幸町教会を訪れて──
         
       難波 實
 牧師 就任式

       2011年6月19日(日)



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 2011年6月19日(日)の午後、
 難波實(なんば・みのる)牧師就任式に出席するため、
 京都御幸町(きょうと・ごこうまち)教会を訪れました。

 この教会の礼拝堂は、京都市有形文化財に指定されています。
 歴史の長いこの教会の、昔からの貴重な煉瓦造りの礼拝堂です。 

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 毎週日曜日の礼拝は、朝10時30分から行われており、
 その他に、聖書研究会などが平日に行われています。
 
  京都御幸町教会ホームページは以下の画像をクリックすると開きます。



 

<以下、参考です>

  2013年の京都南部地区の音楽部主催による「賛美のつどい」の会場を、
  京都御幸町教会にご提供いただいた記事が以下アドレスで開きます。

  2016年の京都御幸町教会での、貴田寛二牧師就任式の、当ブログ記事が、
  以下の画像をクリックすると開きます。

  2018年の京都御幸町教会での、村島義也牧師就任式の、
  当ブログ記事が、以下のアドレスをクリックすると開きます。    

このほかにも、京北教会ブログの一環として、
京北教会牧師が様々な教会などを訪れた記録の、
「あちこち訪問記」のアドレスは、
以下です。よろしければご覧ください。

          


 
 2011年6月19日(日)午後2時半から、
 京都御幸町教会において、難波實牧師就任式が執り行われました。
 おめでとうございます!

 今回のブログに写真を掲載させていただくことを、
 新しい主任牧師にごあいさつしたおりにお話して、
 許していただきました。ありがとうございます。

 下の写真は式後の茶話会にて。
 

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京都御幸町教会の皆様と、
新しい主任牧師の難波實先生、そのご家族の方、
本当におめでとうございます。




 このブログを主宰している京北教会は、
 今から100年以上前に、この京都御幸町教会(旧・京都中央教会)に、
 属している講義所として、烏丸五条近辺の借家で出発しました。
 だから、京北教会の源流は、京都御幸町教会です。

 京都御幸町教会は、かつて、
 メソジスト教会による京都伝道の中心であり、
 ここから五条、三条、伏見の三つの講義所が生まれました。

 この三つは、それぞれが独自に成長して、
 それぞれ現在の京北教会、洛東教会、伏見教会として、
 今も力強く存在しています。 

 その意味で、京都御幸町教会は、太い根となって、
 いくつもの枝に花を咲かせてくださった教会だと言えるでしょう。

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                        (写真の花はザクロ)

 京都御幸町教会の元来の所属であった、
 キリスト教の教派の名前である「メソジスト」とは、
 メソッド(方法、手段、実践)という言葉が語源です。

 これは、神の救いを、できるだけ多くの人に伝えるため、
 「実践的な方法」を大切にしたところから名がつけられた、
 教派の名前です。

 「メソジスト」教会の歴史を簡単に記すと以下の通りです。
 ヨーロッパの産業革命の時代の後、
 イギリスで、たくさんの工場労働者が生まれました。
 その新しい時代に合わせて、人々の心の拠り所としての「信仰」を、
 労働者の生活の中に、定着させていくことを目指しました。

 そこから、教会や伝道のあり方について、大胆な改革を行ったのです。

 難解な言葉を避けて、信仰の要点を、それまでの長い文章から、
 簡潔な短い言葉にまとめなおしました。
 また、儀式の細部にこだわるよりも、
 たくさんの元気な讃美歌を作ってみんなで歌うことを大切にしました。
 そして、労働することを信仰の中に位置付けて、
 生活と礼拝、そして献げること・奉仕することを、
 敬虔な祈りの教会に結びつけました。
 それが、ごく簡単にまとめた「メソジスト」教会の特性です。


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 日本のメソジスト教会グループは、1941年、教派の大合同としての、
 日本キリスト教団の結成時に、他の30余派の教派と同様に、
 自らは解散した後に、所属していた全ての各個教会が、
 日本キリスト教団に入りました。

 その意味では、独立した教派としてのメソジストのあり方は、
 当時に源流を持つものとしては、もう存在していません。
 しかし、各個教会の中に、また学校(関西学院、青山学院)の中に、
 メソジストの伝統は脈々と受け継がれています。

 今日の牧師就任式でも、式の中での、
 祝辞を担当された方(関西学院神学部教授)の言葉の中に、
 以下のような主旨の言葉がありました。

 「京都御幸町教会の礼拝堂を見て、
 メソジストの伝統をそのままに、
 形で表している礼拝堂であると思います。
 というのは、メソジスト教会の礼拝堂の特徴として、
 『恵みの座』があることです。」

(注・『恵みの座』とは、聖餐卓の前に低い仕切りがあって、
 その仕切りの前のところまで、信徒一人ひとりが、
 自分の意志によって出てきて、順番にひざまずいて、
 パンとワインの「聖餐」(せいさん)にあずかるための、
 講壇の建築上の形式のことです。下の写真)

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 (祝辞の続き)
 「…最近、メソジストの伝統を持っている様々な教会が、
 礼拝堂を新しく建て替えるときに、真っ先に廃止されるのは、
 この『恵みの座』です。
 それは、ひざまずいて聖餐をいただくというやり方が、
 身体や年齢などの事情で難しい方のことを考えて、
 というのが理由の一つだと聞いています。

 それはそれでよいのですが、この『恵みの座』は、
 メソジスト教会が、聖餐を大切にしてきた意味を、
 具体的な形で表していることも、覚えておきたいものです。

 聖餐式とは、聖餐(イエスを表すパンとワイン)を受けることが、
 目的ではありません。
 
 聖餐式の目的は、
 私たちが神の恵みを受けることにあるのではなく、
 私たちが『神の恵みの手段と成る』ことにあります。

 京都御幸町教会がこれからも、この地域にあって、
 『神の恵みの手段』として、恵みを多くの人と、
 ますます、わかちあっていく教会になられますように願っています。」

 (以上は、筆者の記憶によるもので、祝辞そのままではありません)




 下の写真は講壇全景。
 就任式の始まる直前に撮影させていただきました。

 説教壇の背後にある、
 ベンチ式のシートに司式者が座っておられます。

 礼拝堂の一部として一体型に作られている、
 司式者用のシートを初めて見ました。

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 メソジスト教会の伝統、それは、教会が、
 また一人ひとりの信徒が、神の恵みの手段として、
 神様に用いていただくことで、
 共に恵みをわかちあう世界を願うことのように思えます。

 そこから教会の、実践的な工夫、研究、発展が出てきます。
 そうした実践的な「メソジストらしさ」の、
 中心にあるものは何でしょうか。

 それはおそらく…、激変する社会環境の中で、
 人が時代に飲み込まれて、退廃していくことを悲しみ、
 まことの神様に救っていただくことに願いをかける、
 敬虔な、祈り、ではありませんか?

 毎週、この礼拝堂を、そのような祈りが満たしているのだと思います。


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煉瓦造りの壁が美しいですが、それだけではなく、
複雑な文様の、窓の木枠が美しいです。

そして…

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礼拝堂の右側面の和風の仕切りに注目!

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 上の壁の中に滑車があって、この仕切りは、
 下から上へと開けることができるように造られています。
 とても便利で、なおかつデザインとして素敵だと思います。

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こうして、礼拝堂と集会室を簡単につないだり閉じたりできる。
初めて見ました、このような礼拝堂設計の工夫を。

さすが、メソジスト!

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 ザクロの花。
 煉瓦造りの壁と、まるで引き立て合うように咲いていました。
 
 京都御幸町教会の皆様、今日はありがとうございました。

 暖かな心の皆様の姿と、美しい教会礼拝堂が、
 共に、ひきたてあっているように思えました。

 写真は、牧師就任式後の茶話会。

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 教会に集っておられるお一人おひとりが、共に支えあって、
 この教会が「神の恵みの手段」となることを、
 みんなで願っておられるのだと感じました。
 
 

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一つひとつの煉瓦がこの会堂を支えているように…。